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9つの立国構想

CMF対談


   夢対談 時代の曲がり角


日本のマスコミの今
ペマ・ギャルポ

戦後の日本のマスコミは、トリプル・パンチを受けました。


一つ目は、終戦直後ある新聞社が「我々は戦争に負けたが精神まで負けてない、頑張ろう」という社説を書きました。それから1週間で、アメリカは日本の新聞を全部廃刊させ、労働組合を中心とする新聞社の運営体制が出来ました。以来マスコミは西洋の価値観を気にしなければならなくなりました。


夢対談 時代の曲がり角

2つ目は、例えば中国との間では、1960年代に結ばれた日中記者交換協定の改訂版の中で、両国の友好を妨げるような報道をしてはならないと。


報道は真実を伝えるべきである筈なのに、政治的配慮をしなければならなくなりました。


3つ目は、本来真実を伝える、または社会を啓蒙する役割のあるメディアが、娯楽施設などの経営をしたりと色々な意味で大企業化し、また広告収入を得るようになりました。これは経済が影響するという意味で、かつては国内だけの影響だったのが、今はグローバル化しています。企業は利益を得ることだけが目的ですが、グローバル化した多国籍企業などの影響も非常に受けるようになりました。


理事長が仰るように、グローバライゼーションはある意味、国境や国家や民族を超えた特定の大企業や機関が世界や世界の富をコントロールするという事で、日本の場合はそれらにも翻弄されているということです。


木原

多国籍ということは、無国籍という事でもありますね。私は「情報は意識」であり、世界のネットワーク化が人間の意識や価値観を劣化させていると思っています。


昔の記者は足を棒にして独自の記事を書いていましたが、最近は情報の多くは出所が一つで、どの報道を見ても同じ、と言っていた方がいました。


国民の「知る権利」が妨げられているということです。


ペマ・ギャルポ

実は世界的に日本の新聞は高い評価にあります。それは国家から規制がなく、何を報道しても良いという報道の自由があるからです。


しかし伝えたくないものを隠したり、タブー化したりして、色々な国がやっている悪事などもあまり伝えない。書いても三面記事的に取り上げるだけ、ということのようです。


そういう意味では、江戸時代の瓦版の方がジャーナリストの精神があり、現代のタブロイド版・ミニコミ誌の方が、真実を伝えていると思います。


最近の世論調査では、日本人の8割余りが新聞を信じていると言っています。日本の場合はウソや歪曲はないと思いますが、健全な社会を創る為には、健全な言論の機関が必要です。


その意味で、各社の見解は社説できちんと伝え、それ以外のことは、主体性を持って都合良い事も都合悪い事も真実を伝える事が必要だと思います。



桐蔭横浜大学大学院 教授/ブータン王国首相顧問 ペマ・ギャルポ