9つの立国構想

CMF地球運動提唱者 木原秀成




制御不能から継承(創造)へ・・・第4の社会への大転換ができるのは日本
日本と東洋と欧米の違い
下表は、東洋文明・日本文明・欧米文明の特徴を表したものだ。

欧米は支配型である。東洋と日本は共生型で、文明の大きな特長を一言で言い表すと、東洋は「権威」、日本は「権化」、欧米は「権力」とある。欧米と東洋、その真中が日本だ。

権化とは、右とか左とかということではなく、本質に目を向けるということである。日本人が「あー」「えー」と言って、はっきりした事を言わないとよく言われるが、相手と自分との「間」をいかに平和に保つべきか思案しているのだ。

仏教でいう「空」、道教でいう「無」の心境で、状況に応じて臨機応変(ファジー)に即応し、ムスヒ(融和)させるかということである。

権化の国 日本
日本の起源を遡ると縄文時代になる。大陸より多民族を受け入れているが、ひとつの民族としてまとまり、さまざまな文明を重ねてうまく日本ナイズし、素晴らしい独自の国を作ってきた。

郷に入れば郷に従う、合理・不合理を越えた非合理・超合理だ。不文律=決まり事や契約書などの文章がなくても話し合いで物事を進めることができる。

日本はすべてにおいて、時間軸と空間軸が分かれていない。T(時)P(場所)O(機会)に即して応じる、つまり権化するという文化を持っている。

そういう意味において、日本民族は、非常に「プラグマティズム(現実主義)」だ。

だから、「権力」を持つのではなく、仲介の役目=ムスヒの役目なのだ。これが「権化」という事だ。

日本はなぜ権化できるのか
『文明の衝突』の著者ハーバード大学サミュエル・ハンチントン教授は、世界の文明を次の8つに分類している。

①中華文明
②ヒンドゥー文明
③イスラム文明
④日本文明
⑤東方正教会文明
⑥西欧文明
⑦ラテンアメリカ文明
⑧アフリカ文明

ハンチントン教授は、日本文明は独自性であるがゆえに、日本の将来を危ぶんでいるが、世界で特異と言われる日本文明こそが、混迷している世界を甦らせる唯一の文明と言えるのである。そのキーワードが「権化」だ。

世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場とその参詣道」に象徴されるように、神道・仏教・修験道という異宗教が見事に融和し、共尊・共生・共育しながらそれぞれの特色をも生かしている。

さらに、三内丸山遺跡を始め縄文時代より高度な文明を作ってきたことが、最近の発掘研究で明らかになった。

また、日本には世界中の文明・文化が集約されている。

◆日本文明には世界が集まっている
日本には、縄文時代から育んだ独自の文明をベースに、西の文明や東の文明と、様々な文明が入ってきている。このことから、日本は東西文明の終着点であり、始発点であると言われる。

日本人は西洋料理も中華料理も何でもOKという民族だ。宗教も、多(汎)神教であるため、世界中の宗教が対立せずに存在する。

遺伝子を見ても、日本には世界が集まっている。アフリカから始まった人類は、遺伝子的に3系統あるそうだ。その3系統すべてが存在しているのは、世界中でも日本だけだということが、最近の研究で明らかにされている。