9つの立国構想

CMF地球運動提唱者 木原秀成




日本の価値観と欧米(現代)の価値観を融合させて
日本社会は激変した
今を生きる私達は、今の社会の様々なあり方やモノの見方、考え方が当たり前と思っている。しかし、日本社会も価値観が大きく変貌してきたのだ。 人類がたどってきた歴史は、決して茅の外にあるものではなく、私達の先祖が体験してきたことであり、自然と共にあった農猟社会の価値観と、産業(工業)社会の価値観は違って当然であるし、今の情報社会の価値観も刻々と変わりつつある。

むしろ現代社会の価値観の変化のほうが早いため曖昧だったり、最近はあまりにも個人主義的な主張が優先されるため、価値観そのものがバラバラになっている傾向もある。

次世代の価値観へ
今の価値観の善し悪しは別にしても、間違ってはいけないのは、今の価値観とこれから生きるための価値観は必ずしも同じではない、という事だ。

どれだけ良い価値観でも、情報社会に農猟社会の価値観を当てはめて、生き残れるかどうかはわからない。
だからこそ、次の時代の価値観への転換が今、求められているのだ。

しかし、そういった価値観への柔軟な変化こそ、日本人のお家芸と言えるのだが、あなたはそれを忘れてはいないだろうか。

積み重ねて権化する
日本の価値観は十二単衣のように積み重ねていく文化(祀祭政)である。上の表を見ていただきたい。

これは、日本古来の価値観と、欧米型の価値観を簡単に比較したものだ。

今の日本は、欧米型の価値観を中心に社会が形成されている。残念ながら、日本文化を欧米文化に着せ替えてしまったため、日本人のよさが生かせなくなってしまったのだ。

衣替えが決して悪いのではないが、同じ人間でも、例えば胃の弱い人もいればお酒の弱い人もいるように、体質に合った食生活を心がけないと、病気になってしまう。

日本には縄文時代から、日本の風土や気候に合わせて衣食住の生活が営まれ、この環境に最適な知恵が遺伝子に刻まれている。

それは日本人が日本人だからこそ一番生かされる、ある意味合理的な方法であったのだが、それを捨てたばかりに、様々な問題が起こっているということだ。

確かに世界標準化(グローバル化)は必要なことだが、その結果、世界共倒れでは意味がない。

日本の良さは、農耕社会から営まれた繰り返しの積み重ねによって、より良い新しいものを作り出す柔軟性にあった。これがこれからの時代の最強の武器になるということだ。

新しい祀祭政価値の創造
祀祭政への回帰というと、日本の古い生活に戻ると思う人もいるが、それは違う。

日本社会は今、あらゆるシステムが欧米の価値観で動いている。良い伝統も文化も履き替えてしまった。結果として日本人の良さは廃れてしまった。

しかし、これからの時代に生き残るためには、日本人ならでは、例えば世界一とも言われている匠の技を取り戻さなければならないのも事実だ。

そのために、まずは祀祭政の文明・文化を取り戻すことが必要だ。さらに、欧米文明の良い所を重ね合わせて、これからの時代に必要な、新しい祀祭政文明・文化を構築することなのである。

その矛盾する文明を融和させ、新しい価値を生み出せるのは日本だからだ。現に今、日本の古い文化は新しい文化として海外で受け入れられつつある。

例をあげてみよう。オバマ大統領の就任式の時に夫人が着ていたセーターが今、世界のファッション業界で話題になっている。それを作ったのは日本の中小企業だ。その世界一細いモヘアの糸は、何と50年も前に作られた日本製の機械が紡いでいるのだ。

効率からすると、今の最新型の機械に比べてかなり劣るそうだが、50年前の機械だからこそできた細さに加えてそれなりの強度もあるという。これこそ匠の技だ。

そうなると、効率効率と言ってムリムダムラを排除してきた企業文化の見直しも必要ということになる。もしかしたら日本企業の会社の倉庫の奥深くには、お宝がたくさん眠っているのかもしれない。

そのお宝に気がつく目があるかどうかも、あなたの遺伝子にかかっている。つまり、生かすも殺すもあなた次第ということだ。

祀祭政の遺伝子を呼び覚ましたい方は是非とも、運命創造学を真剣に受講していただきたい。それが家庭で出来るのが家族学LRA。そして、企業が甦るための宇宙本位経営学。この三位一体こそ、財団ならではの秘密兵器だ。

日本人よ甦れ!
今の日本人は、本当は世界の最先端を既に走っているかもしれないのに、現代の価値観に翻弄されて、迷っている人も多いのではないだろうか。何と「もったいない!」

是非ともあなたの遺伝子に眠っている「権化」のエネルギーを、あなた自身のために、あなたの家族のために、あなたの会社のために使っていただき、日本を元気にする起爆剤になっていただきたい。

日本人が現代の欧米文明に染色されたことは、もう過去のことだから仕方ないかもしれない。

しかし、これからは、あなたの遺伝子に刻まれた日本文明・文化の記憶と、現代社会の中で体感した欧米文明を重ね合わせ、新しい祀祭政の価値観で勝負する時だ。そのポイントは、どうやって遺伝子を呼び覚ますのか、いかにして文明・文化をブレンドすれば良いかだ。そこに財団の大きな役割がある。

次頁からは、これからの祀祭政の新しい日本について述べてみる。

あなたの遺伝子が目覚めれば、不可能はないのかもしれない。それができるのも、日本人ならではなのだから。