[企業づくり]宇宙本位経営学の普及と援助

CMFわくわくフリートーク

年商10億の企業を目指して
株式会社神石共同運送
代表取締役 横尾正文(広島)
昭和39年、父親である先代社長が創業。運送会社の老舗ともいう存在。金沢大学経営工学部卒業後、700名以上の従業員を抱える運送会社の総務を担当。
平成4年、父親の経営する会社に入社。当時は運搬車両5台、従業員5名の有限会社であった。その後、専務取締役に就任。
平成13年7月、有限会社から株式会社に変更し、実務全般を社長代理でこなす。平成16年代表取締役に就任。現在トラック17台、軽42台、従業員20名の会社に育っている。運搬エリアは、中国地方を中心に、東北・関東・関西・近畿・九州と本土全域にわたる。
横尾正文(広島)

規制緩和による過当競争による経営の現実
現在、どこの業界も同じように経営者は大変な状況にある。 中小企業がほとんどの運送業界も例外ではない。 おりしもバブルの崩壊を翌年に控えた平成2年、免許制であったものが、認可制に変わった。 これは運送業界の規制緩和である。 つまり誰でも運送業を営めるようになったのである。 このことは、中小企業に深刻な状況を生みだしている。 一つは、価格競争である。

バブルが崩壊して12年が過ぎようとしているが、 認可制の導入によって業者数は現在3割以上増加した。 その反面売り上げは全体で2割落ち込んでいる。 また、業界全体での運搬車の台数が減っている。 規制緩和は過当競争を生み、自由競争によって運賃単価の低下を招く一方、 地方税(軽油税)の増税や環境対策に関する費用など、 会社の経費は増加。厳しい経営をしいられている。

人間不在の経営から生かし合いの経営を
そんな中、大手でさえ広島県内の運送会社のほとんどが車の台数を減らし、 しのぎを削っている中で、株式会社神石共同運送は、 車の台数を増やし、従業員を増やしている数少ない会社の一つである。

昭和39年創業は、運送業界では老舗である。 今年6月に代表取締役に就任された横尾正文社長は、 平成5年2月から木原秀成先生のもとで、CMF運命創造学や宇宙本位経営学を学び、 経営にそれを活かしている。また、創運会統括部長でもある。

先代の社長である父親の会社には、大学を卒業して大手の運送業界で総務を勤めた後、平成4年に入社した。 横尾社長はこう語る。
『今の経営は人間不在の経営です。 私が大学で学んだ経営学も、今振り返ればそういったものではなかったかと感じます。 木原先生から経営の神髄を学ぶようになって、一番変わったことは、 お客様を大切にすること、従業員を大切にする日本型の経営です。 実際社員にも、お客様第一であることに徹して指導しています。

今のような経営をしていては、生かし合いの経営はできません。 それは、お金もうけのためだけに業界全体が足の引っ張り合いをしているからです。 また、大手が中小企業の範囲にも割り込んでくる。 力のない中小企業は、大手がこられると歯がたちません。

何とか仕事を取ろうとすればするほど、赤字覚悟で仕事を取ることになる。 仕事ですから、そういったことも現実にはあり、一昔前はそれが企業間の信頼関係となり、 一時的な赤字も会社にとって後には生きた取引となることもありましたが、 現在は全くこういったことはありません。』



日本型経営を実践した故松下幸之助氏の経営
昭和20年の終戦後、わずか10年余りの昭和31年経済白書には 「もはや戦後ではない」と盛り込まれて、日 本は世界中が目を見張った、高度経済成長期へと突入した。

そんな中で、すでに業界トップを走っていた松下電器には次のような秘話がある。
『自分が伸びただけ、そのしわ寄せが同業者にいく。 商売だから負けるわけにはいかないが、勝てば必ず同業者がケガをする。 これでいいのか…と悩んだ松下幸之助社長は 商品を世に送って貧困をなくすことが使命であると捉え、 ファクシミリの国際規格を進めた。 消費者が便利だと感じること、それこそが松下電器グループの使命であると説いた。』

今でこそ、通信技術の国際規格は当たり前になっている。 まして同業者に利するようなことは、なかなか踏み切れるものではない。 しかし、生かし合う経営をした松下はさらなる飛躍をしていった。

師木原秀成先生の教え 経営とはすじ道である
現代社会は、何不自由ないにもかかわらず、殺伐としている。 業者間の信頼関係の中で社会が動いているのではなく、 いかに一円でも儲けるかで社会全体が動いている。 そして、弱者切り捨てなのである。神石共同運送も同様であった。

『振り返れば、父親の会社に入り、一番驚いたことはどんぶり勘定のめちゃくちゃな経営でした。 従業員の質も悪く、ある日突然勝手に辞めた時には、仕事が回るかどうかで、 眠れない日々が続きました。また、バブルの崩壊の煽りは私の会社にもありました。 また、長距離トラックには事故はつきものです。 これまでも何台車がつぶれたかわかりません。 大きな怪我がないだけでも本当に奇跡としかいいようがありません。 何から始めればいいか全く見当もつかない状況の中で、 木原先生だけは、必ずできるからと私を信じて指導してくださいました。』

経営者という器は誰にでもできるものではない。 まして、こういった目先の利益に目が向いてしまう現状の中で、 横尾社長はこれまで学んだことをこう振り返る。

『木原先生は私にとりまして、人生の師であり、その教えは人生の宝です。 経営者たるもの、人間として何をすべきか。 このことの神髄を私は運命創造学、そして経営者セミナーで学びました。 『経営とはすじ道である』この言葉は私の経営哲学ともなっています。

運命創造学を学ぶことで、私は自分自身の弱さやいい加減さをいやというほど知りました。 それは人の道(すじ道)からそれており、 経営者として会社をつぶしてしまう自分の発見でした。

特別な才能や能力でもあれば別ですが、中小企業の場合は現実そうはいきません。 少しずつですが、会社が大きくなるにつれて、先生の提唱される『CMF経営法』でなければ、 これからの中小零細企業は生き残っていけないと実感しています。 まだまだ未熟ではありますが、CMF地球運動の一翼を担える企業に成長することが、 これまでご指導いただいた木原先生への恩返しであると捉えています。

そのためには、日本型幸福経済システムであるCMF経営法を実践しながら、 10年後には、年商10億の企業を目指していきます。 まずは今年の目標の年商1億5千万が今見えつつあります。 一つ一つのハードルをクリアしながらこれからも頑張っていきます。』