[環境づくり]地球環境事業の推進と援助

CMF対談

深刻化する中国の環境問題は日本の問題でもある!

宮代知直(みやしろともなお)会長 【宮代知直(みやしろともなお)会長プロフィール】
昭和52年 米国Pacific Western大学.C.A.(現在、米国California Miramar大学.C.A.)Master of Science Degree in Business Administration 修士号取得MBA
昭和52年 アメリカロサンゼルスにてスケートボード製造工場設立 代表取締役に就任
昭和54年 アメリカより帰国 和風レストラン宮代 代表取締役に就任
昭和56年 株式会社エム・宮代会館 相談役就任
平成1年 株式会社エム・コンサルティング設立 代表取締役就任
平成5年 有限会社エム・大沼高原ファーム 会長就任
平成8年 新函館ゴルフクラブ株式会社 取締役就任
平成9年 株式会社エム・宮代会館 取締役就任
平成17年 G-8INTERNATIONAL TRADING株式会社 取締役就任
平成24年 国立筑波大学大学院博士後期課程 生命環境科学研究科 生命産業科学専攻 博士号(学術)修得 Ph.D

【関連団体役職】
☆防衛省所管 公益財団法人日本国防協会 理事
☆神奈川県警察官友の会 第三号
☆国際環境政策研究会 理事長
☆日本水処理生物学会 会員
☆原子力推進空母研究会 常務理事
☆国づくり人づくり財団 特別顧問

深刻化する中国の環境問題は日本の問題でもある!
木原 本日はお忙しい中お時間をいただき、有難うございます。 宮代会長は世界にグローバルな人脈のネットワークと事業を展開し、 中国でも環境問題のビッグプロジェクトを遂行中だそうですね。 今、チベット問題で世界中を巻き込んでの騒乱が起こっている中国ですが、 本日は環境問題についてお話をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

中国の環境問題はかなり深刻なようですが。

宮代 その通りです。深刻さを越えて、中国の環境問題をそのままにしておけば、 日本はもとより世界的な問題になりかねないと思います。

「中国脅威論」
木原 環境問題とは違いますが、農薬入りギョーザ事件も日本の食の安全に マイナスのインパクトを与えましたね。 結局は、事件の真相は解明されないまま迷宮入りのようですが。

宮代 確かに中国は急速に経済大国となりつつありますが、 いろいろな問題が山積しているように思えます。 この度のチベット問題や農薬入りギョーザ事件にしても、 中国が国際社会から認められるためには、 随分時間を要するような気がします。

木原 そうですね。あれだけ広大な土地と13億の人間と55の民族より成り立っている国ですから、 そう簡単には山積している問題は解決しませんね。

宮代 その通りだと思います。中国は共産主義の国ですが、今、資本主義化が相当進んでいますので、 そういう矛盾をどう乗り越えていくかが、これからの最大の課題の一つではないでしょうか。


木原 なる程ですね。 最近は、経済力・軍事力など「中国脅威論」が増しつつありますね。 中国国内に於いては、経済格差や人件費の高騰による世界の生産工場としての地位の低下を始め、 また中国製品の粗悪品問題も起こっているようですし、農薬入り野菜・果実等の食の問題も相当に深刻なようですが。


宮代 その通りです。中国の上流階級は野菜・果物を始め、中国製食品を食べないと聞きます。 日本製のリンゴが1個800円位で売られていますが、それでも買っているそうですよ。


環境問題と一大プロジェクト
木原 そろそろ本題の環境問題についてお聞かせいただきたいと思います。

私も会長とのご縁で、昨年の12月上海に行かせていただきましたが、 飛行機の上空から見たお天気は“曇り”かなと思ったら、 そうではなくて“スモッグ”だということを知り、びっくりしました。 町中が“霧”に覆われているという感じで、とても空気が汚れているようですが、 中国の人は“ノドの病気や肺の病気”などはないのでしょうか。

宮代 あると思います。スモッグにはダイオキシンなどが含まれていますから、 私は必要に応じてマスクをしています。そうでないとノドをやられます。 一年中、木原先生が見られたとおりの空模様ですから。 多分、今の日本人には想像がつかないと思います。 まだまだ日本は恵まれていますよ。

木原 本当に日本は恵まれていますね。 ただ最近は“黄砂”が、特に九州・西日本では大きな問題になりつつあります。 中国もようやく黄砂の情報を公開するような報道がありましたが、 日本としても放っとけない問題だと思います。

宮代 黄砂だけでなく、それに含まれている汚染物質は、 日本人の健康に大変な問題になると思います。 中国の問題は日本の問題でもあるのです。

木原 中国政府はそのような問題に対して、適切な手は打っているのですか。 どうもその点がよく見えないのですが。

宮代 先程も話に出ましたが、経済発展の矛盾がいたるところで出ているのですよ。 そのヒズミが大きすぎて、手は打っているものの、 それ以上の問題が続出していると思います。 特に環境問題は深刻ですね。

私も縁あって今、 中国で産業廃棄物処理関係の大きな仕事に取り組んでいますが、 その規模のケタが違うのです。とにかく、想像を絶すると言っていい位、 大変革をやらないといけない状態です。

木原 その産業廃棄物処理の一大プロジェクトは、今どのような状況なのですか。

宮代 上海の2000坪の土地に自社工場を建てて、そこで世界特許を持った 産業廃棄物処理の機械を製造しております。 それも中国全土の産業廃棄物を処理しようとしたら、 私のところの機械だけでも4000台~5000台位必要になります。 今、オリンピック開催の前ですから、特に急いでいるのですが、 とても製造が間に合わないのが実状です。 産業廃棄物だけではなく、水の浄化もありますから、規模が大きいだけに大変です。

木原 中国政府は、実際に取り組もうとしていることは事実なんですね。 しかし、お話を聞いていてその規模の大きさに圧倒されますね。

宮代 そうなんです。とにかく何につけても規模が大きすぎます。 今、中国は、先程も申し上げましたが、 環境問題に限らず、経済・人種問題・教育・精神・等々、 とても多くの矛盾が露出しています。 私も少しでも、その解決のためにお役に立ちたいと努力していますが、 なかなか道は遠いというのが正直なところです。

木原 なるほど、そんなに大変なのですか。お話を聞くと、だんだん暗くなりますね。 中国の実像と虚像があまりにも見えてくるような気がして・・・。 話に聞くと“水の問題”も深刻だとか。

宮代 そうです。水の汚染はこれまた想像を絶します。 国民の飲料水は、水源池である湖という湖がほとんど汚染されていますから、 極めて深刻です。それを浄化しようにも思ったより莫大な費用がかかるのです。 ですから、いかに経済成長がめざましいといっても、 中国政府だけではどうしようもないと思いますし、 諸外国の支援がないと、とても無理だと思います。

木原 急成長している中国も、内には難問が山積しているということですね。 中国の環境問題の現状について、宮代会長の生の声を聞かせていただいて、大変勉強になりました。 日本国民として、お隣の中国をしっかり見ていく必要を感じました。

宮代 どういたしまして。又、新しい情報がわかりましたら、ご報告させていただきます。


木原 次は“水の問題”等についても、お話を聞かせていただきたいと思います。 宮代会長の事業が成功することをお祈り致します。 本日はお忙しい中、有難うございました。