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経済づくりコラム

日本財政破綻論の誤り-国債暴落を仕掛ける国際投機資本-

売国的子供手当法案―外国人に盗まれる日本の税金
最近、NETでも、単行本でも雑誌でも、日本の国家財政破綻を予測内容するものが急増しています。このテーマについては、私は、拙著『国家破産以後の世界』(光文社ペーパーバックス)で、警告を発し、更に『ドンと来い!大恐慌』で、その現状と対策についても、本質的な議論を展開しています。ある意味で、私にとっては、既に論じ尽くした問題なのですが、敢えてもう一度、述べてみましょう。  




現在、国家財政破綻論、そして日本国債暴落論が、再登場して来た背景には、民主党流のずさんな財政運営が国家財政を更に圧迫しているという事実があります。しかし、結論から言うならば、日本の財政が破綻する事はありません。特に、国債が売れなくなる事により、破綻する可能性は限りなくゼロに近いと断言できます。  

そして、今回の日本破綻論は、内外の投機的資本の仕掛けた情報操作である可能性が高いのです。  

今、「ルーピー」という言葉が流行っているのを御存知でしょうか?ルーピーは、英語では、LOOPYと書きます。「頭のいかれた」という程の意味です。アメリカのオバマ政権の高官が、鳩山首相を「ルーピー」と呼んだ事から、この言葉が有名になりました。日本人の視点から見ても、鳩山首相のルーピーぶりには目に余るものがあります。

ルーピー首相を中心とする、民主党政権の危機対応力は、当然低いと考えられます。海外勢を中心とする投機的資本は、この弱体内閣を狙い撃ちにする策略なのでしょう。財政破綻論が現実的であると認められれば、これから発行される日本国債が売れなくなるのは勿論、既に発行されている日本国債の市場価格も暴落します。日本国債が何らかの理由により売れなくなり、財政が破綻するのではありません。投機資本が狙っているのは、先ず、謀略情報を流し、債権の市場価格を暴落させ、これによって大儲けをしようと企んでいるのです。  

現在、世界では、投機的マネーがその行きどころを失っています。投機資本の対象となるようなマネー・ゲームが、大きく縮小しているのです。

例えば、ヨーロッパでは、ギリシャの財政破綻問題があり、中東ではドバイの破綻があり、アメリカでは金融資本を厳しく規制する新ルール(ボルカー・ルール)の導入により、ヘッジ・ファンド等のリスク・マネーが動きにくくなっています。  

最近、世界最強の投資銀行と言われるゴールドマン・サックスが、SEC(米・証券取引委員会)により、訴追を受けました。これも「ボルカー・ルール」により、過度の金融投機を規制していくという動きです。  

行方を失った投機資本は、石油などの自然資源の先物市場にも流入していますが、十分に面白いマネー・ゲームは展開できないでいます。石油先物市場では、既に一度、大相場があり、原油(WTI)1バレルは150ドル近くまで上昇しましたが、今は、1バレル80ドル台を記録しています。世界的な景気低迷により、原油価格の急速な復活は難しいでしょう。そこで目をつけたのが、日本国債の暴落という新シナリオのようです。  

確かに、国内総生産(GDP)に対する国の借金の比率を見ると、日本は先進国の中でも最悪の状況にあります。これが民主党政権で更に悪化しているのは事実です。  

しかし、日本経済は恐ろしいほど懐が深く、欧米の常識では信じられないような水準の国債発行も容易に消化する実力を有しています。日本人の個人金融資産は1500兆円もあり、日本国債の94%は、機関投資家を含む日本人が所有しています。  

現在、日本の銀行は不景気で、資金の貸し出しが伸びない為、極度のカネ余り状態にあります。そして、その余ったカネで、国債を買い続けているのです。  

また、郵貯マネーの8割は日本国債で運用されているのです。おそらく、亀井金融担当大臣の提言している郵貯の限度額引き上げは、より多くの郵貯マネーで国債を更に買い支える為のものでしょう。また、亀井大臣は、鳩山ルーピー政権によって、最悪の事態を迎えている日米関係を修復する為、膨張した郵貯マネーで、アメリカ国債をも引き受ける腹のように思われます。  

鳩山政権の支持率は落ちていますが、これと全く別次元で、日本国民の日本国家への信頼は、甚だ厚く、海外の資産などよりも日本国債を信用するという気持ちは未だに失われていません。個人国債の保有率は僅かですが、我々が金融機関に預けている厖大な預貯金を利用して、金融機関の機関投資家が集中的に日本国債の購入を続けています。つまり、日本国債は、日本人自身の手によって買い支えているのです。  

また、日本は貿易収支の黒字国であり、対外純対外資産は、世界一です。国家財政が破綻した、アルゼンチンやギリシャとは全く事情が異なります。政府自身の財政は、ハッキリ言って、火の車ですが、国民経済全体では、極めて余裕がある訳です。  

一家の家計のたとえ話をしましょう。 子供が2人の4人家族がいるとします。長男はギャンブル好きで、大きなサラ金の借金を抱え、毎月の月給で青息吐息の生活をしています。しかし、両親は極めて健全な家計を維持しており、長男の借金を上回る資産を持っています。もう一人の子供も、健全に働いています。長男の生活費の足りない分は、親が長男への借金として補てんあげています。 謂わば、日本経済はこういう状態です。

「長男という政府」は、大赤字で借金に頼っているのですが、4人家族全体としては、十分に資産がある訳です。 勿論、長男が借金経済から脱出出来る事が望ましいのです。その事は言うまでも有りません。しかし、長男の借金だけを見て、このファミリー全体が経済破綻していると判断するのは明らかに間違いでしょう。日本経済はこういう状況にあります。  

民主党政権への国民の反発と批判は日々、高まっています。しかし、個々の政権を超えた、「日本国」への信頼は、殆ど揺らいでいないように見受けられます。この点も、諸外国とは著しく異なるのです。この国民の国家への厚い信頼というものもまた、日本経済が持っている最大の長所の一つなのです。  

日本は、「高度信頼大国」でもあるのです。  

ですから、金融投機資本による「日本、ダメだ!ダメだ詐欺」に騙されないように、冷静な判断力を持ち続ける事が大事です。