9つの立国構想

夢・地球交響博

第6回 夢・地球交響博レポート 環境、水、食の循環社会

鳩山元首相が、地球温暖化対策の日本の姿勢として、「1990年比25%削減を目指す」を宣言して1年余り。京都議定書で宣言したマイナス目標は、逆に増加しており、この非常に困難な数値に、学者として挑んでいるのが松井三郎先生です。

日本文化から学び、微生物にその大きな鍵がある。自然の循環の中から、いかにこの問題を解決しようとされているのか・・・


環境汚染の現状
地球温暖化ガス
二酸化炭素・亜酸化窒素・メタンなどの地球温暖化ガスは、発電や工業、農業などの色々な活動で出ています。

農業廃棄物を放置すると、CO2よりも16倍、温暖効果が高いメタンガスが発生します。

化学肥料を使うとアンモニアになりますが、それを窒素ガスに戻す段階で発生する亜酸化窒素は、CO2より111倍も温暖化効果が高い。

地球温暖化ガスを圧倒的に出している国は、今アメリカと中国です。


窒素肥料
窒素肥料の使用量が増加しているのは東アジア、中国です。

中国では、化学肥料と窒素肥料が川や湖に流れ、超富栄養化を起こし、肥料による窒素汚染で地下水は飲料の安全の濃度を超えています。窒素肥料でどんどん食料を作れば、飢餓が起こらないことを保証しているから、中国の窒素汚染の問題は根が深い。

ところが田畑で使う農薬の量は、日本がダントツです。中国の農業はそれを真似ています。だから、日本も農薬を減さないといけないのです。


窒素リン酸カリ
農業で使うリン酸は、アメリカ・中国・ヨルダン・モロッコの4カ国しか鉱石がなく、日本は100%輸入ですが、資源も枯渇してきており、今非常に入手が困難です。

では日本は、輸入のなかった江戸時代はどうしていたのか。江戸時代は循環社会で、人間の下肥や、魚の骨を使っていました。骨はリン酸カルシウムの塊です。

日本は真剣にならなければ、農業もできなくなります。そこで循環型の有機農業をしようと。そう言うと、農家の方は「できない」と言われるのですが、新しい科学の智恵で出来る方法があるのです。


新しい科学の知恵で行う有機農法
有機農業をやる意義は、農業有機系廃棄物や家畜糞、人のし尿、生ごみを、コンポスト(ごみを発酵させた堆肥)として使うのが基本です。

有機肥料の中の窒素・リン・カリを有機資材化します。有用な微生物でコンポストすると、オーキシンとサイトカインという植物ホルモンを分泌し、それを野菜が根から吸収すると、美味しくて甘くなるのです。

畑地で同一作物を連続して栽培すると、連作障害を起こしますが、そこにコンポスト菌を入れると、悪い菌を追い出す微生物農薬になります。

間違いなく役立つ3つの有用菌が研究ではっきりしました。


3種の有用菌
1. 枯草(こそう)菌
枯草菌を使って堆肥化をすると、温度が85度~100度を超え、枯草菌は死にませんが他の病原菌は全部死にます。


2. 乳酸菌(酵母菌が協働することがある)
ある会社で開発された強い乳酸菌は、便に混ざって生きて排泄され、便を発酵させます。豚にエサで与えると発酵して糞が臭わないし、畑に入れたら良いニラが出来ました。


3. 放線菌
放線菌は、抗生物質を作る菌です。日本の使用している抗生物質の半分は家畜に毎日使っています。抗生物質漬けだから、もう次の抗生物質が無いのですが、乳酸菌は免疫力がつくので抗生物質が減らせます。

この3種類の菌を組み合わせてコンポストすれば良い堆肥ができ、農薬要らずで美味しい作物が出来ます。

この技術を、マレーシアの国営農場では実用化しています。

下水汚泥や生ごみを完璧に処理をして無菌状態にし、発酵させる。有機の堆肥化をしやすくする技術も、既に推進されています。だからこそ、有機農業が出来るのです。