[企業づくり]宇宙本位経営学の普及と援助

企業づくりコラム


   経世済民の企業づくり


あなたの会社は優良企業か?
唐突にこのような質問に「はい」といえる会社が日本国内に何社あるだろうか? 例えそうであっても日本人は奥ゆかしいので、当たり障りのない返事をするかもしれない。
ところで優良企業とはどのような会社をいうのだろうか。

毎年アメリカで発表されている優良企業の基準とは、厳しい競争を勝ち抜いた証としての、年間の売上や利益の大きさの順番だ。特に経営者は時代のヒーローになる。もちろん社員の何百倍もの収入がある。そんな有能な経営者が舵取りしている企業なのに、どういうわけか翌年には、驚くほどの赤字が出ていたりする。
ひとたび赤字がでると、そのつけはリストラという形で社員に回ってくる。何か矛盾しているようにもみえるのだが・・・

「優良」という基準そのものがなかなか曖昧で難しいのだが、日本での優良企業とは、欧米とは赴きが違う。その要素を少し挙げてみよう。
売上・業績・利益・株価・配当金・規模・業界での位置・評判・広告宣伝・商品やサービス・歴史・公共性・社員・給料・福利厚生・社内設備・活きがい・充実感・働き易さ・企業風土・夢・志 など
それらが総合的に判断される傾向がある。最も、最近はどちらかというと日本の「優良」も、欧米的な基準になりつつあるのだが。

数年前、世界からも注目された日本企業が、ふたを開けたら実は、その下請けの子会社は売上は上がっても、仕事を受ければ受けるほど利益がマイナスになっていたという情報があった。大会社が子会社を食い物にして、その犠牲の上にあぐらをかいて、社会では世界有数の優良企業と言われたのだ。これが本当に本当なら、お恥ずかしい限りである。
今でも経営の神様と言われ、近年その経営法が見直されている松下幸之助氏が生きていたら何と言われるだろうか?

今や世界のトップメーカーとなったトヨタ自動車の創業者、豊田左吉も次のような経営理念を掲げていた。

一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし。
一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし。
一、華美を戒め、質実剛健たるべし。
一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし。
一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし。

左吉は浜松市の北奥部で育った。その地域には「報徳教」という信仰が定着していた。背中にマキを背負いながら本を読む、あの二宮尊徳の生き方を学ぼうという教えである。

人道が大切で共存共栄が基本、地位・資産・境遇に関係なく本分を尽くす、欲を出して働く、勤労が利益を生むがそれを譲り合う心が大切と説く。報徳思想の3原則は、「勤労」「分度」「推譲」という。

分度とは自分に与えられた仕事を忠実にやり、義務を果たすことであり、推譲は親子の愛情のように自分の受けた今までの恩徳に報いるよう努力する無償の奉仕活動を言う。

左吉は、この教えそのものを経営理念にしたのである。先にあげた下請けや子会社の犠牲の上に成り立っている企業が本当にあるのであれば、こういったところから見直しが必要ではないだろうか。


日本の信仰と経済の仕組み
国内での格差の拡大、年収200万円以下の増加、雇用不安や失業率の増加など、日本国内の経済状況の悪化は年々増している。しかし、日本は今も世界第2位の経済大国だ。

2008年
GDP(国内総生産)上位10位

アメリカ、日本、中華人民共和国、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、ロシア、スペイン、ブラジル

世界から見ると、経済大国の代名詞は日本だという。それは戦争で一度壊滅しており、そこからの躍進は世界が奇跡とたたえたものがあるからだ。
豊田左吉もその立役者の一人だ。経営理念の中にあるように、成功した日本の経営者に共通していえることがある。それが信仰心だ。

松下幸之助氏も、戦後次のように言っている。「繁栄による平和と幸福を享受するためには、素直な気持ちを失わず、天然自然の原理に自己を合わせて生きていかねばならぬ。終戦を機に全日本人が原点に立ち戻り『産業報国』の精神で、一日も早い社会復帰をめざそう。」

松下氏の場合は、「根源教」の教祖であり辻説法師とも言われる布教者としても有名だった。
右下の一覧は、企業が祀っている鎮守だ。その多くは創業時や工場などを新設した時に、守り神として建てられたものだ。

間違っていただきたくないのは、現代のようにこういう鎮守をお祀りし、御利益をただ単に願うという、安易で簡単なものではない。
プロ野球の球団が、シーズンが始まる前に必勝祈願のため、よく神社にお参りしている映像を見ることがあるが、それはお願いではなく、精神統一とでもいうべきシーズンはじめのけじめである。
昨年日本シリーズで優勝した巨人の原監督も、今年のシーズンはじめに参拝した青島神社で「巨人の一つの儀式ですから。ここに来られたという感謝の気持ちが強いね」と言っている。

イギリスの有名な経済学者アーノルド・J・トインビーはこのように言っている。

「戦後日本人は近代化の道を邁進してきたが、その見返りとして心理的ストレスと絶えざる緊張感にさらされている。それは産業革命がもたらすまぬがれない代価である。
ところが、神道は人間とそのほかの自然との調和のとれた協調関係を説いている。日本国民は、自然の汚染によってすでに報いを受け始めているが、実は神道の中にそうした災いに対する祖先伝来の救済策を持っている。」

つまり、日本人の信仰の中には、世の中を治め人民の苦しみを救うという経済の本質=経世済民がある、と言っているのである。