[家族づくり]CMF家族学の普及と援助

家族づくりコラム




家族の歴史をたどると、人類の起源まで遡ることになりそうですが、その家族の長い歴史の中で、現代ほど家族の絆が薄れている時代もないと言えるかもしれません。
日本人は、世界でも家族を大切にしてきた民族です。それは、農猟民族ならではの歴史があるからです。
それがまだ社会全体に残っていた明治の時代と現代を比べてみましょう。

家族の変化
明治から第二次世界大戦のころまでの家族の大きな特徴は、国全体が家制度のもとに統率されていたというところにあります。家長は強い権限を持ち、国の末端の役人としての統治するという役割も持っていました。
そして、家族は親子・異世代間関係を中心としたものでした。

 
家を重んじるのは、江戸時代にもお殿様が、側室を何人も持ち世継ぎを誕生させた歴史からみて、そういった風潮が引き継がれていたとも考えられます。
しかし、時代劇で出てくるように、家を重んじるあまり離婚された女性達もたくさんいました。

明治の家族機能
下の表「家族の変化」の家族の機能の項目を見てください。
明治以降戦前までは、家業として農家等の第一次産業が、人口の約半数を占めました。

自営=経営者=従業員=家族であり、また生活=仕事でもありました。世襲で家を継ぐという場合も多く見られ、代々築きあげられた知識と技術が伝えられていったのです。
家庭そのものが生産性を生み出し、専門技術だけでなく、世の中を渡っていくための生活技術・知恵も同時に教育されました。


ご先祖の3代目は、地域に貢献したとか、名士だった…など、家の誇りも代々伝えられ、その伝統を守り抜くという、現代人から見れば堅苦しい事も、それは、個人に対する恥や戒めとして、社会を守る機能もしていたのです。
 
また、倫理・道徳が大切にされ、道の文化といわれるくらい、茶道・華道・剣道・柔道・商道、それぞれの分野で自己完成の道が説かれました。
一方では「恩」という心あたたまる情操が、人と人との間柄を結ぶ、自ずからなる徳として培われてきました。
最近特に問題になっている子供の躾においても、親だけでなく祖父母や地域も一体となり行っていたのです。


家族の変化


戦後の日本
戦後の日本ところが戦後は、新憲法のもと家制度は消滅し、家族は私的な集団となりました。
法的には対等平等な個人からなり、夫婦・同世代間関係を中心とした家族となりました。「恩」という情操も、権利と義務というものに置き換えられてしまったのです。

第二次・第三次産業が発達し、賃金労働者が増加しました。それにより、家族の生産機能が衰退していきました。
高度成長期の専門知識・技術は家庭で教育できなくなり、その役割は大学や専門校・会社へと移っていきました。
また、生活技術は新しい電化製品にとって変わりました。

さらに、男性の長時間労働に加え、女性の労働力も必要とされていきました。

親と子は別居するのが当たり前になり、残業や塾などで家族の団らんは姿を消し、教育機能はもとより、生きていくための知恵の継承も人間性の発達機能も衰退し、高齢化社会の中で、年老いてくる親に不安と淋しさがつきまとっているのです。

高学歴化の教育費が家計を圧迫し、加えて地域社会との関わりが薄れていくなかで、家事・育児の上に労働が重なり、女性に負担の大きな社会へと変化していったのです。(現代社会はこの上に介護の負担も重なる)夫婦関係にしても、夫婦生活の真の意味も知らず、恋愛感情によって結婚してみたが、夢や理想が崩れると簡単に離婚してしまう。「離活(離婚活動)」なる流行語まで生んでしまいました。

【離婚の表現いろいろ】
家庭内離婚・成田離婚・シルバー離婚・アルツハイマー離婚・老いらく離婚・たそがれ離婚・還暦離婚・熟年離婚・定年離婚・震災離婚・ダイアナ妃離婚・ロイヤル離婚・高齢離婚・式場離婚・友達離婚・輝き離婚・濡れ落ち葉離婚


家族がバラバラに引き離され、ストレスが社会中に充満し、夫の暴力、子供の虐待、30万円で親を殺すなど、一昔前までは考えられなかった親子間の事件が増加し、家庭の本当の味を奪い去ってしまっているのです。

若者たちの間で広がっている渋谷家族・インターネットによる第3の家族、という新しい家族スタイルも生まれつつあります。
 
子供の問題、親子の問題、夫婦の問題、高齢化の問題、介護の問題・・・。複雑な家族環境による精神性崩壊の影響と思える犯罪も多発しています。
 
家族が崩壊するということは、地域社会の崩壊につながり、ひいては日本の崩壊にもなっていくのです。

家族の復活は経済を生み出す!
家族の絆という点からすれば、明治の方が強かったことは明白です。
その絆は国全体を一つにして、壊滅的な敗戦から世界第2位の経済大国までになった復興という力となり、世界から注目され研究されてきました。

つまり、家族の絆は日本社会において経済を創ってきたのです。家族の崩壊は、また日本の経済の崩壊とも言えるのです。
では、今の私たちは、後世に何を残せるのでしょうか? それはやはり日本の家族の姿ではないでしょうか?



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