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8月26日の猛暑の中、小沢一郎は民主党代表選挙に出馬する決意を表明した。民主党内は一気に猛暑が熱暑となった。菅首相側は小沢出馬はありえないと判断していたため、大騒ぎとなっている。「政治と金」で検察審査会で審理中の小沢が、よもや代表選への出馬はないと勝手に思い込んでいたのだ。
何故、小沢出馬となったのか。多少かかわりがあったので、この機会に説明しておこう。6月2日の民主党両院議員総会で、鳩山首相が辞意を表明した。小沢幹事長(当時)のシナリオで、参議院選挙での勝利を確実にするためである。5月末から政治空白をつくらず首相を交代させることについて相談を受けていた私は、小沢氏の狙いが、菅首相で挙党態勢をつくり、選挙で勝利し9月14日の代表選挙では菅首相をすんなり再選させよう、というものであった。それがとんでもない方向に走っていくことになる。
仙谷・枝野・前原らが、菅支持の条件として、「小沢切り」の実現を要求した。そこで菅氏はカンタンにその話にのり、記者会見で「小沢は日本のためにも静かにしていろ」と言ってしまった。このとき私は、9月の代表選挙に小沢出馬を予感した。その後、参議院選挙の中で「消費税10%増税、2年後にも」と、菅首相個人が勝手に発言、大惨敗となった。本人も幹事長も選対委員長も責任をとろうとしなかった。
8月となり、私は小沢さんと会う予定であったが、私が体調をくずしたため7日に電話で意見交換した。要点を紹介しておこう。
○小沢 円高株安だけでなく経済無策、社会不安は国家危機となった。3月まで菅政権はもたないといわれているが、それでは国がもたない。自分の出馬は別にして、9月の代表選挙で菅代表を変えることで腹を固めた。
○平野 経済も社会も不安一色で何も手を打てない。国家危機はそれだけではない。民主党内にも、野党にも国民にも信頼されていなくて、議会民主政治を成り立たなくしたのが、菅政権だ。こっちの国会危機も大きな問題だ。
○小沢 わかった9月には勝負をする。
というもので、出馬の腹は決まっていたのだ。
鳩山前首相は、挙党一致を願って菅首相と小沢前幹事長との対立を解消しようとしたが、調整はできなかった。鳩山対小沢、鳩山対菅の会談の内容は知らないが、結論は鳩山と小沢が共有する文化と菅の文化が異質であったことによろう。菅首相に文化や思想があるのか、といわれれば「ない」としか言えないが、正確には「仙谷と枝野」の過激派崩れ文化に乗った菅首相が哀れでならない。
円高に苦しむスズキ自動車の鈴木オーナーは、民主党代表選について「経済を立て直してから、党内抗争はやってくれ」と言っているが、これは現在の政治の実体を理解していない。小沢の出馬は、経済を立て直すためのもので、菅・仙谷・枝野体制が国や国民のことを考える政治家でないことは、多くの人が知っていることだ。
それにしても、菅政権はとても政権交代をなし遂げた民主党政権とはいえない。自民党小泉政治の再生といった方が正確かも知れない。経済成長という抽象的数字に拘われ、経済の実体を活性化しようとする発想はない。人間でも成長するのは20代までだ。その後は、身体と精神をどう活性化して生きるかである。中国やインドなど経済的に10代の国々と成長を競争して何の意味があるのか。
9月14日の民主党代表選挙は、自民党が21世紀の政権政党であることを失脚した後、日本に果してまともな政党が生まれるかどうかを、天命が審査する政治イベントといえよう。