[文化づくり]国際文化交流の推進と援助

文化づくりコラム 

広島市への提言 平和都市広島を世界の聖地に


日本だからできる
現在も世界では、宗教の違いから勃発する地域紛争があとを絶ちません。表向きには政治的な要素が原因とされる戦争も、実は宗教戦争だったということはよく言われます。

今、世界で信仰されている宗教の主なものは一神教で、その教えを最初に唱えた聖者がおられ、その人から引き継がれた人達によって確立されたものです。  

日本の場合は成り立ちが全く違います。日本はもともと八百万の神です。豊かな自然の中で、生かされることを知り、自然そのものを神としました。それが日本固有の民族宗教と言われる古神道です。


ですから古神道には教典がありませんし、教えを唱えた聖者もいません。

春に新しい命を芽吹かせ、夏に燦々と輝く太陽、秋に豊かな実りをもたらし、冬に突き抜ける木枯らしを吹かせる自然。水も火も、生活になくてはならない恵み(神)であり、時に人を襲う脅威となる。

あらゆる自然に神を見いだしていたからこそ、仏教が伝来した当時、来日された新しい仏さまも日本では融和し、違和感がなく受け入れられ、日本古来の神々と一体となって信仰されました。これが日本が引き継いでいる古来からの伝統です。

以前ご紹介した「紀伊山地の霊場とその参詣道」はその象徴といえるでしょう。神道・仏教・修験道という異宗教がみごとに融和し、共尊共生しながらそれぞれの特色をも生かしている遺産です。



他ではマネできない日本文明の柔軟性
世界にはユダヤ教・キリスト教・イスラム教・仏教・ヒンドゥー教・バラモン教・シク教・ジャイナ教・神道・儒教・道教・ゾロアスター教など、様々な宗教がありますが、参詣道こそ、世界の異文化を結び(ムスヒ)共生できる唯一の文明の証ではないでしょうか?

また、日本の遺産が世界の他の遺産と大きく違うところは、今現在も人がそこで生活し使われている生きた「資産」ということです。もし、万が一壊れたとしても、日本の木の文化は再生することができます。それは一つの甦りです。

欧米の肉料理に醤油や砂糖、大根おろしを加えたり、パン食にあんこを入れたり、生活様式も畳の和室だけでなく、洋室も取り入れたりする。

日本はよく猿まねと言われることもありますが、相手の本質を全て消化し、さらに発展させる=日本ナイズできる。

これが日本の柔軟性です。 


日本文明・文化には聖(生)がある
真善美という言葉をよく耳にすると思いますが、木原秀成理事長は「日本文明・文化には真善美に加えて聖(生)がある」と言われます。この聖がすべてのものにあるいのちであり、異文化を融和させ、生かし合いのできるエネルギーなのです。だから甦ることもできるのです。

これが日本文明・文化の根源力であり、万物すべてを生み出し生かそうとする宇宙エネルギー(=宗教性)そのものです。


過ちを繰り返さないために
広島の原爆慰霊碑の碑文には「過ちは二度と繰り返しませぬから」と書かれています。

原爆だけでなく、人類は戦争という過ちを、もう二度と未来に残してはならないのです。

そういった意味でも世界の平和都市広島が、真の意味の平和を発信するにふさわしい土地であり、世界の宗教を融和させることのできる唯一の街であると確信するものであります。

もし、同じような発想でこういった平和への活動をされる団体の方々がいらっしゃれば、是非とも平和的なコラボレーションをはかり、多くの賛同者の方々と実現に向けて行動を共にしたいと思います。

それがまた平和への礎になるに違いありません。