9つの事業構想

夢・地球交響博

第6回 夢・地球交響博レポート 現下の安全保障問題

国防のトップの経験から、先日発行された「防衛白書」の概要と、今、大きな問題となっている尖閣諸島について、安全保障問題をお話いただきました。

日本周辺と国内の安全保障問題は、全く収拾のつかない状況です。

私が95~97年沖縄の陸海空のトップ司令官だった頃、アメリカ海兵隊員が小学生の少女を集団強姦した事件が起こりました。当時は日米地位協定で、犯人が日本側に引き渡されず、沖縄県民が怒って8万人以上が抗議集会をしました。

悔しい思いを聞いてくれと、沖縄の代表が当時の河野外務大臣の所に行きましたが会うこともしなかった。

私も2年半過ごすと、沖縄の切ない気持ちが分かりましたが、鳩山首相の基地問題を見ても、当時の状況と同じです。本土の人に裏切られたと思っているでしょう。


防衛白書の4つの視点

防衛白書は、国際社会を日本国政府はどう見ているか、ということが書いてあります。

第一に、国際的な安全保障環境は、複雑で過熱気味な状態です。理由は①経済成長を背景とした国家の台頭がある、②大量破壊兵器等が拡散している、③国際テロ組織を始めとする非国家主体による活動がある、という事です。

第二に、国際社会における安全保障の安定のため、国際社会の協力は一層重要と言っています。何故か?

①大量破壊兵器・弾道ミサイル等の拡散問題、②核不拡散・核軍縮に向けた取り組みが進展中、③国際テロ組織等の活動は引き続き脅威である、④各国でサイバー戦争の具体的取り組みが進展中、今や戦争はコンピューター(IT)から始まる、という認識がある、⑤冷戦後、激減した軍事費がまた増加傾向にある。

第三に、引き続き国際社会の平和と安全の確保のため、米国は同盟国と同等の一層の協力を重視すると。

米国は弱ったとも言われますが、世界に千もの軍事基地を持ち、ドルも今だに基軸通貨です。しかし、米国は従来通りの世界の警察官の役を続けるつもりはないと、日本政府も見ています。

また、地域紛争の現状ですが、アメリカはアフガニスタンから2年後に撤退すると言っていますが、これは不明です。イラクとの戦闘は終わりましたが、国民融合の課題は未解決です。その他、スーダン、ソマリア、ハイチ、ネパールが紛争国です。

四番目は、中・印・露と多極化志向の国の国際協力が増加している。


日本の周辺諸国の現状

中国は、地域・国際社会にとって懸念事項であり、慎重に分析していく必要があります。また、北朝鮮もわが国を含む東アジア全域の安全保障の上で脅威になっています。

米国は4年毎に国防計画を見直すのですが、最新では核体制の見直しが検討されています。

昨年、「核なき世界の構想」を発表したオバマ大統領はノーベル平和賞を受賞しました。それはアメリカへの牽制でもあったのですが、その後、核兵器は私が生きている間は無くならないだろうと言いました。

ずっと核兵器を持ち続けるよ、という意味にとる人もいるようです。


尖閣列島について

領土問題は尖閣列島には全くありません。沖縄がアメリカから返還された時、中国は何も言わなかった。

地図を見てみると、南西諸島から沖縄、台湾、フィリピンに至る線を中国では第一列島線と呼んでいますが、彼らは第一列島線からの海の出口を探しています。つまり、尖閣列島が手に入れば中国艦隊が自由に太平洋に出られるという訳です。

中国は今回と同じ手口で、西沙・南沙諸島をめぐり、ベトナム、フィリピンとも同じ問題を起こしています。

日本はグラグラしていては駄目です。なめられない為にも、自衛権に基づいて有事と平時との間の法律を作るべきであると思っています。

中国は海洋資源の確保を、海軍力の増強をからめて「海洋強国」をめざしており、今後とも油断がなりません。