9つの事業構想

CMF対談

  
   どうなる? どうする!これからの日本


民主党連立政権は誕生したが、首相の政治資金疑惑や内部矛盾露呈の様相もあり、片や国内外に於ける経済・環境・国防・皇室・雇用・人間の劣化・・・など、制御不能状態になりつつある。
日本の針路はどうなるのか? どうすべきか? 各界の諸先生にズバリ直言を賜る!

   ◆評議員  菅沼光弘 アジア社会経済開発協力会 会長
           平野貞夫 元参議院議員
   ◆相談役  平岡裕治 (財)日本国防協会 副会長・理事長
           山崎泰廣 種智院大学 名誉教授/高野山伝燈大阿闍梨/高野山大学 客員教授
   ◆特別顧問 加瀬英明 外交評論家・(社)日本文化協会 会長
   ◆学術顧問 市川彰  松蔭大学経営文化学部 教授
           加藤善盛 工学博士/財団法人有機質資源再生センター理事
   ◆司 会  木原秀成 理事長


日本の現実は?
木原
新年あけましておめでとうございます。本日はご多忙な中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
昨年は世界的な金融危機の余韻が残るなか、国内では政権が交代し、早速経済・環境・国防・皇室・雇用・人間の劣化など課題は山積みでございます。
国づくり人づくり国民運動も、これまでは人財育成を中心に進めて参りましたが、今年は国づくり構想にも踏み込んで参ります。そこで、それぞれの専門分野から皆様のご意見を直言いただき、運動に役立たせていただきたく存じます。
まずは、政治家として活躍され、現在も日本の中枢の近い所におられる平野先生、お願い致します。

平野
平野貞夫私は、吉田茂首相や前尾繁三郎衆院議長という明治生まれの立派な自民党の保守政治家の元でご指導を受けた一人です。しかし平成になる頃は自民党も腐敗し、日本を変えたい、自民党を改革したいと平成5年に離党し、無所属で参議院議員に。
しかし、なかなかうまくいかず、民主党と合流しましたが、70歳を過ぎて永田町での50年の経験から、せめてこれからは自由な立場でものを言いたいということで、5年前に引退をしました。私は今の民主党議員とは全く縁がありませんが、小沢一郎とだけは縁は切れず、現在に至っております。
昨年は皇紀2669年。この日本の長い歴史の中で、昨年の政権交代は、民衆が選挙で直接国家政治権力をつくったという、大変貴重で歴史的な意味のある出来事でした。
しかし、政権をとった方はその価値を全くわかっていない。私は常々、政権担当者は謙虚で戦略的指導抑制能力が政権運営の基本だと言ってきましたが、そういう能力に問題のある人達に政権が渡されてしまった。
そのことを小沢一郎も危惧していると推測しています。

木原
私は民主党に期待する反面、3ヶ月の政権運営でいくつも矛盾が露呈しており、平野先生には今後も民主党の迷走を監視していただきたく思います。
加瀬先生には、豊富な外交のご経験から、現在の国際状勢を踏まえてご意見をお願いします。

加瀬
加瀬英明外交は基本的に実現できないことを口にするべきではありません。その点で鳩山内閣は非常識・非見識です。
就任すぐに鳩山首相が打ち出した東アジア共同体構想も思いつきで具体性がなく、沖縄の普天間基地移設問題も、全く不可能なことを言っています。
この政権は、自民党への反動から生まれたものです。政治運営も反自民で進めていますが、それを外交や国防にまで持ち込んではいけない。
日本は日米同盟を大切にしてきたから守られてきた現実があります。また、アメリカの後ろ盾がなければ、中国・韓国・ロシアなどと対等に話ができない。
民主党は過剰な対米依存を正し対等な日米関係を築くとしながら、中期防衛力整備計画の策定を1年延期しました。これは国防はアメリカ任せの過剰なアメリカへの依存の証拠です。
鳩山内閣は戦後日本が独立を回復してから、もっとも危険な内閣であると考えます。

木原
菅沼先生は公安という情報の面から日本の国防に関わっておられましたが。

菅沼
菅沼光弘今の内閣は、民主党としての地盤固めや連立が機能する前から、予算の編成・日米同盟・沖縄の基地など多くの問題が起こっています。またマニフェストに捕らわれていますね。
何よりも政治的な方法論が未成熟です。それは木原理事長の言われる人としてのあり方の問題でもありますが、民主党だけでなく、今日の日本人は精神的に非常に劣化して弱いですね。
先日の産経新聞で石原慎太郎氏がこのままでは日本は滅びるだろうと言っていました。今復活人気の『蟹工船』という小説や、一人で死ぬ勇気がなく女性を巻き添えにして自殺を図った太宰治、あの精神的な弱さの文学に、若者が惹かれている所が、今の精神状態を象徴しているからだと。
これは若者だけではなく、日本全体の問題であり、今の政党にも共通して言えることです。

木原
確かに今は、人間をどう教育するかというところに目を向けていません。しかし、人を創らなければ国は成り立たちません。平岡先生は航空幕僚長として5万人のトップにおられた経験からどうお考えですか?

平岡
平岡裕治以前から私は、これは宗教の問題と関係あると言っていますが、木原理事長の言われる、我が祖国の宗教・文化の根底にあるものは何かを、是非とも考えていかないといけません。 
日本国内では今、年間3万2千人の自殺が連続10年発生している。経済的な問題に左右されない自衛隊や警察の自殺者も多いです。ベトナム戦争の戦没者が10年間で約6万人ですから、これは大変な問題です。
防衛に関しては、実はマサチューセッツ工科大学のリチャード・J.サミュエルズが『日本防衛の大戦略』という著書の中で「日本は極端に強硬でもなく軟弱でもなくアジアにも欧米にも寄りすぎない、大戦略をとるであろう。それが国民的合意を得て米国に過度に依存せず、中国の攻撃に軟弱な状態でなく、安全に存続していくだろう」と書いています。
これは2007年の出版で、当時は戦後レジウムからの脱却をかかげた安倍政権であり、憲法を改定し集団的自衛権も行使するのではという憶測から書かれたものと思われます。現政権は、似て非なる方向に向かっています。
しかも、今の鳩山首相の言葉は非常に乱暴で危険です。核や環境、中近東の問題、そして内政にしても、日米が協力しなくてはいけない時期に、失言をしたという自覚がありません。非常に不安です。
 
木原
世の中には、理屈理論では割り切れないものの方が多く、また現代は秒進秒歩で進んでいるのですが、民主党を大勝に導いたマニフェストは、最近のマニュアル人間的な欠陥が潜んでいるように思えます。
日本はその時々の状況に即して臨機応変に対応する現実主義ですから、そういった意味でも大きな危険をはらんでいます。
日本は温故知新の古いものに新しいものを重ねて新しいものを創る文明であり、これが保守の本質と私は言っていますが、日本型企業経営文化論について研究されておられる市川先生はどのようにお考えですか?
 
市川
市川彰一昨年のリーマンショックから、大変難しい状況にありますが、立ち直るために全力を尽くすしかありません。しかし、どう立ち直るかが重要です。
1990年代のバブル崩壊以降、日本の経営者は自信をなくし従来の日本型経営を否定してアメリカに習っていきました。
それは人間中心の経営から、株主中心の経営に転換し、働く人達は手段であり必要なくなれば首を切るし、不況の時にどれだけ首を切れるかが経営者の価値という風潮になりました。そして、小泉内閣の労働者派遣法が生まれたのです。
2000年代前半には、経済は数字的には僅かでも成長しましたが、働く人の平均給与は下がっています。それがリーマンショックで更に悪化。派遣切りが問題になりました。
そして新政権が誕生しました。
確かに、予算のムダを省いたり子供手当などアピールしていますが、経済をベースにした国家ビジョンがないのです。だから経済政策の評価のしようがない。
そして、今、地球の存在そのものが危機に瀕しているのですから、木原理事長の言われる宇宙・地球レベルで考えないとだめだと思います。
地球全体の人口は今60数億に達し、毎年約1億人増加しています。しかし、温暖化などで生態系がくずれ、食料などの資源はむしろ減少するおそれがあります。
ですから、新しい産業を考える時、科学技術の分野からは、新エネルギー、省エネ省資源(資源を沢山使わない)、再利用が必要です。
これまでの経営は欲望を作り出すことが考え方の一つでしたが、これからは、課題を解決するところにチャンスを認めていくことも必要です。
また、心・意識というところからの新しい産業。例えば介護医療がそれです。技術も大事だが心を大事にする。そして教育・芸術などを含め、大きな方向として新産業を考え、それが世界的に果たす役割を検証する必要があります。
 
木原
平野先生は、所有の経済学から使用の経済学と言われておられますが、確かに現在の取り組みは、部分的なものが多く全体から根本解決をめざすのが、この運動でもあるわけです。そういった意味では、地球の危機は環境と経済の両立を避けて通れないと思います。
そのへんを永年環境経済学を提唱されて、現場でも活躍されている加藤先生にお願いします。
 
加藤
加藤善盛私は松井三郎先生と仕事をさせていただきながら、また木原理事長のお話を聞く中で、気づいたことをお話します。今の日本の自給率は40%と発表されていますが、実際にそのほとんどが輸入の石油を使って作られていますから、厳密には7%くらいにしかなりません。しかし、この話をしても分かる人と分からない人がいます。
日本は今、多くの食品を輸入していますが、年間1900万トンを廃棄しており約11兆円の額に相当します。またその大部分を1兆円かけて焼却処分しています。これでは日本人として恥ずかしいですね。
    ※参考資料 国づくり人づくりHP
      環境づくり『ゴミを減らして豊かな暮らしを』
私は終戦直後に生まれ、民主化の教育を受けましたが、それが本当に良かったのかを真剣に検証しなければ、次の世代に引き継げないと感じています。
人類は物々交換から始まって、貨幣経済を産み出し、貨幣的価値を中心にして現代に至っていますが、今生きていくということの価値が共有できなくなってきていると感じてます。
生きることの価値の基本は食べるものの価値で、人間の身体は頭だけでできているのではなく、身体の内外の目に見えない微生物体系との共存で成り立っていますが、そんなことはあまり教えていません。人間は食べるものがあってこそ文化を培い、智慧を産み出し繁栄をしてきました。
生産の基本は一次産業のものづくりですが、この分野の技術と知恵を一番持っているのは日本だと思います。それが、明治維新の国際化から貨幣経済の中に入り、工業化とともに経済は発展をしてきたのです。
しかし、その中で日本を繁栄させた基本柱の人間学がなくなり、国力が衰えてきました。
その原因を食べ物やDNAや人間の精神、または身体だけを治療する医学分野も含めて検証し、これからの日本をしっかり見据えて、失っている柱を立てて整備していく必要があります。 例えば、リサイクルにしても日本には技術はあるのですが、技術の利用が繋がらない仕組みの中で動いています。この仕組みを創っていく必要があります。

木原
日本は経済と人間を統合して文化に高めるという素晴らしい文明を創ってきました。それは見える世界・見えない世界・場合によってどちらにもなるという権化の世界からの文化です。
現代社会の問題の本質は、見える世界をもって科学とするという価値から創造された、欧米の唯物史観にあまりにも偏重したことにあると思います。
また、死生観の生には目を向けても死には目を向けなかったと思います。
医学も肉体だけの治療ですが、WHOは健康とは肉体・精神・社会のバランス、最先端のホリスティック医学も肉体・精神・魂の三位一体と言っています。
山崎先生は真言密教の大阿闍梨であり碩学でもあられ、永年大学で教鞭をとられ、今なお、高野山大学で伝統教学を教えておられますが、現代の世相をどのようにお考えでしょうか。
 
山崎
山崎泰廣日本は今、政治も経済もしっかりしたバックボーンが見えてきません。
しかし、東洋と西洋を自分のものにしたのは日本です。その技術は色々な分野で非常に優れており、技術と思想を結集すれば世界に類を見ない凄いことになります。この国づくり人づくり国民運動のお話を理事長からいただいた時は、本当に嬉しかったですね。それで、仲間に入れていただきました。
私の専門は密教ですが、その中心の教え大日経(大乗経典を集大成して7世紀ごろ成立した)は宗教を超えています。
今、科学は宇宙はビッグバンから始まり、宇宙の暗黒物質ダークマターなどを解明しようとしていますが、大日経は既にそのことを知っています。21世紀になりやっと科学が密教の入り口に追いついてきたと言えます。
宇宙の仕組みは、同種族を共食いさせて全滅させるようなことはしません。しかし、人類だけが科学技術を駆使して、地球を壊し生命を滅亡させつつあります。
動物社会にはない、家庭内暴力・自我によるあくなき闘争・強度のストレス・孤独感などの身近な問題も、この根は宇宙創造の意志を忘れたところにあり、これらの問題解決も大日経の中にあるんです。



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