二十四節気の他に、季節を知らせるために暦に記載されているものが雑節です。雑節と呼ばれるわけは、その起源が中国古代に起きた陰陽五行説に基づく迷信的なものや、日本で農業や漁業の体験から作り出された実用的なものなど由来や性格が雑多であるためです。
土用 とは、雑節(ざっせつ)の一つ。立春 (2月4日頃)立夏(5月5日頃)立秋(8月7日頃)立冬(11月7日頃)の前18日間を言います。それぞれ、立春前の「冬の土用」が1月17日頃、立夏前の「春の土用」が4月17日頃、立秋前の「夏の土用」が7月20日頃、立冬前の「秋の土用」が10月20日頃から始まります。その中でも、現在は「夏の土用」の間の丑の日にうなぎを食べる「土用の丑(うし)」という行事が有名です。
土用にまつわる様々な禁忌(きんき)
土用は古くは「土王用事」とか「土旺用事」といい、土の気が旺(さかん)である時期であるため、土を動かしたり、穴を掘ること、丑の日に大根の種まくことを忌むとされた。また、殺生も不吉とされ、葬送も延期しなければならないとされていました。
これら土用にまつわる禁忌が生み出された背景には「土用中は季節の変わり目であるために、農作業などの大仕事をすると体調が崩れやすい」などの、先人の戒めが込められているといいます。
土用を作った陰陽五行説
土用は中国古代の陰陽五行説に基づくもので、陰陽五行説では四季を五行(木・火・土・金・水)に割りふって、春は「木気」夏は「火気」秋は「金気」冬は「水気」としました。このため、「土気」に割振る季節がありませんでした。そこで、四季の終り各18日間を「土気」の為の期間を土用として割当てました。立春の前18日間が冬の土用、立夏の前18日間が春の土用、そして立秋、立冬の前各18日間がそれぞれ夏の土用、秋の土用です。
※陰陽五行説…中国の春秋戦国時代に発生した陰陽思想と五行思想が結び付いて生まれた思想のことです。
土用の丑の日のうなぎ
現在は立秋の前に訪れる夏の土用が私たちには最も馴染み深い土用と言えるでしょう。夏の土用の丑の日にはうなぎを食べる習慣があります。この習慣には面白い由来があります。
江戸時代、夏になると暑くてうなぎが売れず困っていたうなぎ屋が平賀源内の所に相談に行った。源内は、「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という民間伝承からヒントを得て、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、物知りとして有名な源内の言うことならということで、そのうなぎ屋は大変繁盛した。その後、他のうなぎ屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日にうなぎを食べる風習が定着した。
讃岐国出身の平賀源内が発案したという説が一般的ですが、万葉集には大伴家持が、夏痩せの友人に鰻を食べるように勧めている和歌が収められています。また、平仮名で墨汁を使って毛筆で書いた「うし」と言う文字が、まるで二匹のうなぎのように見えたからと言う説、この他に、土用に大量の蒲焼の注文を受けた鰻屋が、子の日、丑の日、寅の日の3日間で作って土甕に入れて保存しておいたところ、丑の日に作った物だけが悪くなっていなかったからという説もあります。
また、地方によってはうなぎに限らずその他の「う」のつく食べ物を食べる習慣もあります。これには夏バテ対策として、スタミナのある「馬(肉)」や「牛(肉)」、また胃に優しい「瓜」「うどん」「梅干」などが選ばれているようです。
年によっては夏の土用の間に丑の日が2度訪れることもあり、この場合は2度目の丑の日を「二の丑」と呼びます。
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