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第1章 世界的な3つの潮流と3つの危機
 
今、地球・人類(万類)に危機的な状況をもたらしている様々な問題を整理してみますと、次の2つがあげられます。
 
1 世界的な3つの大きな潮流
2 世界的な3つの大きな危機
 

世界的な3つの大きな潮流

(1)市場経済主義中心 ・・・力の戦い

国境を越えて世界的に、自由な競争ができるということです。市場経済・自由貿易主義=アメリカをスタンダードとしたものですが、このことにより「正しい者が勝つのではなくて、力のある者が勝つ」「勝った者が正しい」という資本主義がエスカレートしていきます。
すると、総合的に有利な大企業しか生き残れなくなる心配があります。
競争は自由で結構なことですが、金持ちと貧乏人という二極化現象が起こっています。
 

(2)グローバルスタンダード ・・・規模の戦い

いろいろな規制が、国境を越えて世界的に緩和されるということです。
本来は、貧しい国あるいは遅れている国、進んでいる国あるいは栄えている国、経済格差や地域格差・国家間格差があるものを、平準化してバランスをとっていこうとする考え方が、グローバルスタンダードの本質だと思います。
しかし、今のグローバルスタンダードは、アメリカを中心とした力論理の中から物事が展開される「規模の戦い」を生じさせていきます。
すると、ここでも正しい者が勝つのではなく、規模の大きい者が勝つという主義が中心になるということであり、総合的に有利な大企業しか生き残れなくなる心配があります。
これもまた貧富の差をますます拡大している訳です。
 

(3)情報技術(IT)の世界的普及 ・・・スピードの戦い

そして、三番目は情報革命(IT革命)です。これもやはり超スピードでアメリカを中心に栄え、情報技術がより高度に進歩して、国境を越えて世界的に普及するということです。そうなりますと、『スピードの戦い』になります。
地方にいても、あっという間に世界の情報を知る事ができるようになり、コンピューターを中心にした第三の社会も可能であると言われています。そういう意味において、コンピューターは「文明の利器」としては確かに素晴らしく進化してきました。
しかし、これとて本格的にこの情報インフラストラクチャー(※1)を整備しようと思えば、莫大なお金が必要です。

確かに、ミクロ的に見れば、ITの活用によって弱者が救われるという部分はありますが、マクロ的に見ると資金力のある大企業などの、情報技術を制する者が勝つという主義が中心になるということです。

※1 インフラストラクチャー
生産や生活の基盤を形成する構造物。ダム・道路・港湾・発電所・通信施設などの産業基盤、および学校・病院・公園などの社会福祉・環境施設がこれに該当する。社会的生産基盤。
 

3つの大きな潮流が及ぼす影響

「世界的な3つの大きな潮流」を整理してみますと、世界中が大企業を中心とした弱肉強食の「力と規模とスピード」の戦いになり、正義とか倫理・道徳が薄れていき、生命・自然・社会の秩序が無視され、人間のエゴ中心の、まさに「勝者は正義なり」的なものがまかり通り、一人の勝者と残りはすべて敗者となる、極端な二極化の時代になる心配があります。
それこそが、弱者を切り捨てていく欧米型の資本主義の大きな特質の一つです。
 

世界的な3つの大きな危機

(1)経済格差 ・・・貧富の二極化

2006年12月、国連大学世界経済開発研究所が発表した個人資産に関する研究(次頁図1)で、世界人口の1%が個人総資産の4割、2%が半分以上を所有する一方、全体の半分である貧困層は総資産の1%しか持っていないという結果が出ました。その裕福層の国の一つに日本も入るのですが、今後は日本国内でも同じ位の格差が広がる危険性があります。

既に、アメリカでは国内の富の90%は10%の人達が所有していると言われています。一時アメリカ人の平均所得が増えたという報道がありましたが、それは裕福層の所得が増えたのであって、中間や貧しい人達の所得は逆に減っており、経営トップと平均的な社員の賃金比較では、大企業で350倍になっているケースもあるそうです。

2005年1月、政府は日本の構造改革が進まなければ、5年後に財政破綻すると発表しました。そして、国際通貨基金(IMF)は、日本の破綻を既に見越し、日本再建プログラム(ネバダ・レポート)を作成しているそうです。

今後もますます貧富の差が広がるでしょう。そこから生まれるものは、ほんの一部の裕福層と今日の生活にも困るかもしれない大多数の貧困層であり、騙し・詐欺・横領・略奪・殺人等々・・・
希望の持てる社会どころか、人間の生命すら危ない状況になりつつあります。

図1 グラフが示す世界の富の偏り

 

(2)地域紛争 ・・・国際規模での紛争

正しかろうと正しくなかろうと関係なく、力のある者が権力を振り回し「言うことを聞かなかったら、ぶっ潰す」というような覇道主義(ネオコン主義)は、新たなる差別を生み、世界をますます危険な状況にしつつあります。
このような世界情勢の中で、各国は自分の生きる道を真剣に探し始めているのですが、その改革が思うように進まない時、何かのキッカケで第三次世界戦争が起こらないとも限らないのです。

また、経済格差による摩擦が別な形で国際情勢を混乱に落とし入れる不安があります。不平不満を持つ暴力革命主義が、正義の為という誤った思想を掲げ、利害関係や東西間の衝突、貧しい国と富たる国、富たる国は富たる国同士での衝突など、また世界各国で局地紛争が起きています。特に、北朝鮮の動向も目が離せない状況にあります。

宗教の世界においても、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の紛争は続いています。これらは遡れば一人の親からスタートした宗教です。それが血で血を洗うような争いをしています。
 

(3)環境破壊 ・・・自然環境と人間環境

そして、私たちが真剣に考えていかなければならないことは、環境破壊の問題です。これは、大きく2つに分かれます。自然環境と人間環境です。どちらも重大な問題です。
無限の宇宙空間の中で、奇蹟を遙かに超えて唯一、生命の存在が確認されている地球。
地球誕生から45億年と言われ、その営みの中から人類という種族が700万年前に誕生しました。その地球の永い永い生命の歴史の中で、現在ほど危機に瀕している時代はないのです。
私たちはこの宇宙の中で生かされている存在です。宇宙全体からものごとを見れば、すべての存在は循環しながら生かし合っており、絶妙なバランスの中で、人間も生かされています。
しかし、私たち人間は、地球の生命・奇蹟的なバランスを蝕んでいるのです。
京都議定書にも尽力した、アメリカの元副大統領アル・ゴア氏は、地球温暖化を「人類史上最大の危機」として警鐘を鳴らしています。

また、見方・視点は違いますが、良識ある学者たちは、このままの環境が続くなら、おそらく地球はあと20年とか、50年とかで滅ぶであろうとおっしゃっており、その方向に行きつつあることは事実だと思います。

そして、自然環境以上に重大な のが、人間環境の問題です。世界中で起こる紛争や殺人事件・夫の暴力・子供の虐待・離婚の急増など人間の精神性(霊性)は、まさに崩壊しています。
この精神環境が地球の未来を握っていると言っても過言ではありません。
 

地球破滅
最終段階への危機

宇宙森羅万象を無視した欧米型唯物論哲学・科学は、科学的・物質的には大いなる発展をとげてきましたが、反面、生物的・精神的・宗教的には、人間をどうにもならないところまで退化させ、地球上のいたるところで、経済格差・地域紛争・環境破壊などの大きな危機がモグラタタキのごとく露出し、破滅への時計の振り子は振られようとしています。地球最終段階への危機が迫っています。
 
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